2017/04/04

GPC 2017文顕進議長基調講演(2)

道徳的、革新的リーダーシップ

ご列席の皆様、ビジョンを通して私たちが出来ることは何であり、物質を超える世界を見て、どのように世界を変えることが出来るかを洞察することができます。しかしこのようなビジョンが実行されず、理想が具体的に適用されず実現されない場合、永遠に抽象的な理想として残ります。目に見えず、実質的な結果を示すことも難しいのがビジョンです。したがって、変革を求めている指導者は、崇高な理想を受け入れ内在化する人たちであり、どのようにビジョンが実現されるべきかを示す先例を立てる人たちです。

2010年にナイロビで開催されたグローバル・ピース・コンベンションで私が最初に紹介した「道徳的、革新的リーダーシップ」というフレームワークは、この時代に必要なリーダーシップの資質を明確かつ簡潔にまとめています。革新的な技術が、潜在的に人類が直面している多くの難題の解決に大きな助けになったとしても、葛藤と腐敗の根源を解決することはできません。そのため、倫理的で誠実性を備えたリーダーシップが必要です。

 道徳的な指導者は人類の最も基本的な願いが反映された、人類の一生において普遍的原則を遵守し、個人の利益ではなく全体の利益のために、共通のビジョンに基づいて任務を遂行します。道徳的、革新的リーダーシップは、人間が生まれながら持っている創造性を活用できるよう、最も解き難しい社会的課題をも解決していく責任感ある倫理市民として自らを治めることが出来る人です。

 GPFは2010年から、このような道徳的、革新的リーダーシップのフレームワークを様々な会議、フォーラム、及び青年リーダーシッププログラムの場で活用してきました。どのような状況でもGPFが重点を置く点は、指導者の資質です。その指導者が最も重要な目標を達成する資質があるか、はっきりした倫理基準に基づいて創造の可能性を発揮するようにする能力があるかを見るのです。今回もまた、同じフレームワーク内での平和と発展のための新しいモデルを検討する予定です。


コリアン・ドリーム

私の祖国である韓国で、平和と関連する驚くべき事例があります。朝鮮半島の分断と、攻撃的な核実験を敢行する北朝鮮の挑発は、アジアや全世界の平和と安全を脅かす最も緊急の課題です。現状を維持することはできません。古い冷戦時代フレームを脱し韓国国民と周辺国が共に力を合わせ、地域と全人類の運命を開拓してく新しいアプローチが必要な状況です。

2014年の末、韓国語で出版された私の著書である「コリアン・ドリーム(KOREAN DREAM)」と、最近発刊されたその英語版を通して、新たなアプローチのためのロードマップを提示しました。朝鮮半島統一という夢を実現するための、最も重要であり総合的な努力を提案しました。現在、私が提示した方法は「統一を実践する人々(統一天使)」が実践しています。統一天使は1,000団体を超える市民社会、宗教、および非政府機関が「ワン・コリアキャンペーン」を通して、趣旨を共にし協力して行動する、全く新しい形の市民運動連帯体です。グローバル・ピース財団は、韓国に拠点を置き活動している統一を実践する人々の主要なパートナーとして、全世界の同胞社会を中心にその基盤を拡大しています。

 「ワン・コリア」キャンペーンがもたらした進歩と影響力は驚くほどです。今日のコンベンションで韓国で適用されているアプローチと韓国で得られた教訓の多くのを共有します。今からコリアン・ドリームのロードマップの重要な要素を簡単にご紹介します。コリアン・ドリームのロードマップは、他の国や状況にも関連性が非常に高いことでしょう。

 まず第一に、普遍的な原則に立脚したビジョンを共有することが最も重要な出発点です。韓国の夢は歴史的に韓国と北朝鮮国民すべてに定着している倫理的な「弘益人間」と繋がっています。本質的に韓国人のアイデンティティと関連し、全ての人類を利するために生きることを通してその運命を達成させます。植民地統治の痛みを経験した他の国のように、戦争後、韓国は韓国固有の民族的アジェンダを定義しようとしたが、残念ながら再び冷戦時代の地政学的渦に巻き込まれました。現在の分断は第二次世界大戦後、日本帝国の没落を契機に新たな国家モデルを確立しようとしていた韓国人の願いとは程遠い、外部の強大国により強制的に成された構造です。

 第二に、家族制度は国家の礎です。韓国の伝統文化は、大家族に基づき優れた精神を持っています。これらの伝統的な家族制度は、基本的な価値を涵養し人間関係に必要な秩序、安定、そして信頼を学ぶことができます。これらの伝統は、全ての人の福祉と健康な社会のために必要な要素です。

 今日の韓国は、世界的水準のインフラと高度の物質的繁栄に発展した国家の姿となりました。しかし残念ながらも、西欧の文物を無分別に受け入れ外的成長のみに執着した結果、家庭の破綻と大家族モデルの崩壊を面することになりました。また婚姻率と出生率は世界最低水準であり高齢者の自殺率も高く、その他にもいくつかの深刻な社会問題により困難な状況にあります。家族制度を維持することは、国家的な健康においても非常に重要です。

 第三に、信頼性の高い世俗的国家(STABLE SECULAR NATION)建設のために、包容的な精神的環境の構築が必要です。私が特に強調したい部分は、韓国人は自国内で発生した宗教だけでなく、世界の主要な宗教を受け入れ独特の精神的な意識を持っているということです。韓国人が単一民族という点を勘案するのならが、さらに驚くべき事実です。これらの精神的な意識は全ての人類のための模範国家を創建しようという理想を実現するために、過去五千年の歴史の中で発展してきました。このように崇高な理想をもって韓国人たちは、宗教と信仰が国家の運命を決定していくにおいて真なる方向を導いてきました。

 つまり宗教や信仰が、統治とは別ではなかったということです。今日、政?分離の目的を間違った方法で再定義しようとする、現在の西欧型民主主義に注目せざるを得ません。もちろん政教分離の本来の目的は、国家が後援する単一の宗教があってはならないということでしたが今日の広場民主主義には信仰が完全に排除される必要があると解釈されています。人間は本質的に精神的な存在として、高い理想と真実を追求する存在であるため、宗教指導者と実践していく信仰者たちが、安定して倫理的な国家の政治体制に含まれる必要があります。

 最後に、6.25戦争以来の韓国は、極度の貧困状態から抜け出すために国家のアイデンティティを下から確立する必要がありました。当時「セマウル運動」を通じて、韓国の国民は自立の精神と共同体の強靭な精神力を身につけることができました。自立を促し高等教育を奨励し、国家ビジョンを実現するために国家の主人である国民が直接参与するようにしました。これらのすべての要素が合わさって韓国の人的資本が強化されたのです。大義に共感し共にする市民は、肯定的な変化を主導する強力な力となります。

 同じ文脈で、統一されたコリアへの夢を叶えるために共に努力することは、公務員や政策専門家だけではなく、国民皆のための事です。したがって「統一を実践する人々」は草の根市民運動と教育に重点を置いています。従って朝鮮半島統一という大義に、社会各界各層の国民が参加できる場を供えています。「市民の力(PEOPLE POWER)」を活発化し、より大きな大義を達成することができます。北朝鮮のような抑圧的社会で自由の炎を発火させるために、ITとソーシャルメディアを活用することも「市民の力」を活用する良い方法です。

 市民社会組織は、変化に必要な重要な触媒の役割を果たします。北朝鮮と海外同胞までと領域が広くなり、韓国社会の至る所で機関と同盟を構築した大規模な組織で運営されており、統一天使の影響力は徐々に大きくなっています。同様に、世界の市民社会団体が様々な事案で大きな影響を及ぼしています。

 これらの主要な要素を踏み台にし、ワン・コリア(ONE KOREA)キャンペーンは、人類が直面している平和と安全という最大の課題で目に見える進展を見せています。この運動を通して70年余り続いている朝鮮半島分断と紛争を解決するのなら、どの意味のある事か考えてみてください。私たちが主導していく勢いを土台とし、これから世界の人々と国家の支援を必要とする時が来ました。ここマニラで開催されている2017年のグローバル・ピース・コンベンションで、統一を実践する人々とそのパートナーは、「ONE Kグローバル・キャンペーン」を正式に開始したいと思います。キャンペーンの一環として学術会議が開催され、3月2日にはモール・オブ・アジア(MALL OF ASIA)アリーナで「ONE Kグローバル・ピース・コンサート」が開かれます。その場に皆さんを招待したく思います。<続く>

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント